検索力ってどうよ?

4. 取捨選択のアルゴリズム(予稿第4章)

いっぽう正解がある調べもの、より学術的な文脈での調べものにおいても、インターネット検索の難しさは存在します。インターネットの情報量が増大すればするほど、検索サービスの重要性が高まれば高まるほど、そこに依存してしまう恐れがあるということです。

例えばGoogleのデータベース。膨大な情報を日々溜め込み成長しており、ひとつの世界そのものという印象すら受けます。それゆえ「Googleに聞けば何でもわかる」という錯覚に陥りがちです。

Googleの世界の総体はそのデータベースそのものと言えますが、インターネット上の情報の全てがそのデータベースに組み込まれているとは限りません。クローラーがインターネットを動き回って情報を収集する際、何らかの基準によって弾かれた情報、つまりGoogleで検索できないようにされている情報も存在するわけです。インターネットは世界の全てではなく、その世界はさらにGoogleによってフィルタリングされたものである、ということです。

また人間の情報処理能力には限りがありますから、Googleの返した膨大な数の検索結果を一度に把握することはできません。ある程度数を絞り込み、基本的に上位にヒットしたものから順に見ていくことになります。上位に表示される情報は、Googleに言わせれば「あなたが求めている情報である可能性が高いもの」です。

もちろん、Googleは私たちの頭の中を覗いて検索結果を返しているのではありません。私たちが入力した検索語と検索条件をもとに、ページランクなどのアルゴリズムを使って表示の優先順位を決めているとされています。「このアルゴリズムに人間の作為は含まれない、全てコンピューター任せなのが最大の強みだ」とGoogle社は言いますが、重要なのは、人間の作為がどの程度であれ、私たちの情報収集はGoogleのアルゴリズムに大きく影響されているということです。検索結果の上位に表示される情報は、それだけ露出度が高く、相対的に知名度や信頼感も高くなります。逆に言えば、Googleの意にそわない情報は無価値であり、情報の海に埋もれて評価されることもないということです。

こうしたことを意識せずとも、私たちは検索を行うことができ、たいていはその検索結果に満足することができます。そのことを「Googleの検索精度はすごい」ととるか、「私たちの思考はGoogleに規定されている」ととるか。これは、情報教育のひとつの面白いテーマとなるのではないでしょうか。

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