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双方向になるのはツールだけでなく・・・

情報教育の研究会で「KEEPAD」というものを見せてもらいました。リンク先を見てもらったらわかりますが、カード型電卓みたいな形状です。学習者が数字の付いたボタンを押すと、無線で教師のコンピューターまで信号が飛んで、アプリケーションにデータが集計・蓄積されるそうです。

システムとしてはPowerPointのアドインの形式になっていて、データの蓄積によってスライドのグラフがパッと変化するという感じです。と説明するとわかりにくいのですが、要はアレですよ、テレビの「笑っていいとも」のテレホンショッキングで、ゲストが観客に向かって質問して、観客が手元のボタンを押して答えるやつがあるじゃないですか。該当する答えをした人が1人って出たら勝ちっていう。集計システムの表示部分をPowerPointの円グラフとかでやるわけです。

「新しい双方向コミュニケーションシステム」って大袈裟やな!って思わず突っ込んでしまうほど、実に何の変哲もない「リモコン」です。ただ、それは悪いことではないですよ。ツールとしてシンプルで使い方がわかりやすいのは大切なことです。世の中、多機能さをウリにして結局全然使えないモノのなんと多いことか。潔いこの形に収めたのはデザインとして成功しているのではないかと。

前回「e-LearningよりLearning 2.0」でも触れましたが、私たちの行動に変化を起こさせるようなものって、それ自体はシンプルでも、その意味はとても大きかったりするんですよね。今まで歩いてしか移動できなかったけど、スケボーが手に入った!みたいな感じ。ちょっと早く移動できるだけ?いやいや、今までできなかったことができるし、いつもの景色も変わってくるんです。ただし、スケボーの楽しみ方を知っていれば、ね。

KEEPADも、大切なのはそれを教育にどう生かすか。それを使って教育をどう豊かにできるか、教師の発想の質が問われると思うんですよね。「面白そうだな」と思える教師は、いろいろと実践例が浮かんできて、豊かになる、主役なのは授業そのものです。KEEPADが輝くわけではない。

学習者の意思を確認する方法は、挙手をはじめとしてたくさんあります。KEEPADが得意とする「匿名性の高い投票」以外にも。そのことをまず教師は理解していなければならないし、それをうまく取り入れることができない教師は、そもそも双方向性のある授業など無理な話だと思います。

そして、それができるかどうかは、小手先のテクニック、誰かから聞いただけのTips、KEEPADというモノの存在ではありません。本気で授業に双方向性を求めているのか、学びに対する考え方がどのようなものであるのかにかかっています。教師主導型の一斉授業しか頭にないままでは、どんなツールを使ったところで授業は大きくは変わりません。

願わくば、KEEPADを使った授業の例として発表されるものが、KEEPADの良さではなく、授業の捉え方に新しい発見を与えるものであればなぁと思います。これはKEEPADだけでなく、全てのツールに言えることですが。ツールそのものではなく教育的な刺激を受けて、学びに対する考え方を広げてもらえるような。IT機器やネットは、そういう可能性を秘めたものです。だからみんなで情報教育やりましょうよって、私は思い続けてるんですけどね。

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