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情報教育 再考(1)

PCカンファレンスでは、情報教育の実施という命題を前に右往左往している現場の痛切な声が多く聞かれます。時間が足りない、人手が足りない、お金が足りない、周囲の理解がない、何を教えたらいいかわからない、どうやって教えたらいいかわからない、諸問題をどう解決したらいいかわからない、など「ないない」づくしです。

今年のカンファレンスでは特に、中学校を軸とした小中高の連携に解決策を見いだそうという動きがありました。教える内容を流れとして分担し、それぞれの無駄な負担を減らそうというものです。しかし、先の記事でも書いたように、この議題で時間を割いて意見交換をしても、お互い大変だねぇという共感は得られるものの議論は進展しませんでした。
情報教育は新しい科目ですが、教育の一部であることには違いありません。教育とは人を育てることですから、どんな人に育てるのかのビジョンが必要です。情報教育によってどんな人を生み出そうとしているのか、つまり教育の目的(理念・哲学)を明確にしないと何も始まらないわけです。

私が思うに、カンファレンスで示された数々の実践報告には、この教育目的が十分に明示されていませんでした。仕方なく私は、説明された授業内容からその目的を逆に推測してみましたが、概要しか提示されていないこともあり、目的が明確にイメージできないものが多いのです。また一見似たような授業項目であっても、教育目的が異なればその意味合いは全く違うものになりえます。

よって学校間同士の連携の実現は、それぞれの学校の持つ教育目的を明確にし、目的が同じ、あるいは目的に接点があることを理解することで、はじめてその一歩が踏み出されるものです。教育の哲学が互いに相容れない学校同士では、効果的な連携は難しいでしょう。見たところ、教育目的がはっきりしていない、あるいは教育目的の共通点と相違点をお互いに理解していない状態で、参加者は学校間の連携を議論しようとしているのが現状であると感じました。

教育のプロである教師に向かって今更そんな基本的な部分を指摘するのはいかがなものか、文部科学省が目指すべき内容を提示しているのだからそれに沿うということではないか、と言われるかもしれません。確かに、現場に直接関わる人間でない私が偉そうなことなど言えないのも確かです。ただ「情報」という科目(枠組み)が空から降ってきて大した年月が経っていない点、しかもその「情報」が扱う内容、つまりコンピューターをはじめとする情報機器や情報化社会自体が、教師によっては縁遠く感じるものであるという点を考えると、ノウハウと考え方の筋道が確立された他教科に比べて、「情報」に関しては教育目的の煮詰めから具体的実践までがスムーズにいかないことが多い、と言えないでしょうか。与えられた目的をを十分に理解し消化しないまま授業を行っている、私は現場の担当者に対してそんな印象を受けたのです。

もっとも、現場で苦労している人たちに批判めいた言葉を投げつけるだけでは意味がないので、私は私なりに、情報教育の目的を設定し具体的な授業方針を考えてみることで、情報教育について議論を深めるためのひとつの筋道を提案したいと思います。

【転載】情報教育 再考 | 2005-07-22

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