項目4「情報化社会での前提となる基礎知識を学ぶ」
社会状況が反映されて生まれたのが「情報」という科目ならば、社会の現状に目を向け教える内容を考えなければなりません。実習として情報機器を扱う際は、コンピューターの概念や仕組み、歴史と社会における位置づけなど、ある程度の知識を持ってもらうことも必要になってくるでしょう。それは情報機器の理解と活用に役立つという面からだけではありません。情報機器を扱うことで社会との接点を持つができるがゆえに、安全かつ適切に社会と関わるすべを身につける必要があるという、大切な側面を含んでいるのです。
インターネットは社会の仕組みを大きく変えた情報道具です。今はまだ情報機器を使いはじめた子どもたちであっても、遅かれ早かれインターネットを活用した生活を送ることになるはずです。そこでまず知っておかなければいけないのは、インターネットは従来のメディアと違い、政府や識者によってフィルタリングされていない剥き出しの情報をも大量に提供するものだということです。玉石混淆、良くも悪くも、これはインターネットの最大の特徴でしょう。大人はそれをわかったうえで、欲しい情報を効率よく手に入れ、欲しくない情報は捨て、危険な場所には足を踏み入れない、という行為を自覚的に行っています。それを自覚できない人は、見たくないものを見てしまったり、危険を知らずに踏み込んで痛い目にあう可能性が高くなります。インターネットの利用には、主体的に自分で判断し選択していく力が必要なのです。
学校や親や地域に生きる大人の全ては、子どもたちにそのことを教えなければなりません。インターネットがこれだけ社会に強く影響するようになった現代では、インターネットは怖いから関わらないように、といって済ませることはできないでしょう。たとえ学校や家庭ではインターネットから遠ざける措置をしても、いつどこで子どもが触れる機会があるかわからないですし、それにインターネットの持つプラスの面も計り知れないのですから、インターネットの適切な活用を教える方向で教育するのが情報教育のあり方でしょう。
では、どのように教育するかです。何も知らない赤子をいきなり社会に放り出すのが危険ならば、最初は制限された環境でインターネットに触れてもらう、という方法があります。フィルタリングソフトもいいでしょう。ネットワークの意味を学ぶために、まずは学内LANの活用から始めるのもいいかもしれません。
そして実際にネットワークに触れながら、メディアリテラシーなども学び、情操教育など学習者の段階を見極めて、いつかは剥き出しのインターネットにも触れてもらわねばなりません。インターネットの本来の姿を隠し通せるはずもないですし、自分で身を守る訓練もせねばならないからです。例えば、掲示板の書き込みのトラブルなどは大人同士でもよく起こるものです。そんなトラブルを起こさない、起こさせない人間になれるか、それが情報教育の役割でもあるはずです。
【転載】情報教育 再考 | 2005-07-22
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