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情報教育 再考(6)

以上、4つの項目を挙げて具体的な教育内容について提案してみました。情報教育を円滑に進めるためには、学校関係者全ての人の協力が必要です。そのためには、みんなの意識を変えなければならないかもしれません。勉強会や講習会も必要になってくるでしょう。もちろんその対象には、親や地域住民も含まれます。学校でいかに理想的な教育をしても、家庭では子どもにコンピューターを買い与えてほったらかしの親が大勢という状況では、また深刻な事件やトラブルが起こらないとも限りません。好奇心旺盛な子どもは、環境さえあればどんどんコンピューターにさわるでしょう。すぐにスキルを身につけ、いろんなところを覗きに行くと思います。学校側は情報教育の方針とその内容を親に伝え、最低限のブレーキを用意するよう言っておくことも必要かもしれません。

情報の授業が生まれたことは、単に文部科学省の気まぐれによって降ってきたというのではなく、社会の変化に目を向け教育を根本から見つめ直す良い機会である、と捉えるべきものではないかと思います。そう考えると、ちょっとした付け焼き刃でそんな大きな問題に対処できるはずがないと言えます。また逆に言えば、情報機器という得体の知れないものに振り回される必要はなく、どんな教育をすべきかその本質を考え直すことで対応できるものだとも言えるのでしょう。必要以上に怖がらず、でも頭は柔軟に視野を広く持って、教育のプロとしての仕事をしなさいということです。

PCカンファレンスでは、議論の芯にならなければならない「教育の本質」を問い直す試みが少なく、焦って表層を議論することに終始したため、全体としての成果が出ませんでした。自分たちの現場における「教育の目的」を見直す作業は、それぞれが個人ベースでも行えることですから、まずはそこから出発するのがいいのではと思います。

カンファレンスを運営するCIEC(コンピュータ利用教育協議会)は、教育に携わる人たちが、情報機器や技術の些末な知識に惑わされることなく、もう一度教育の本質を自分たちのスケールで見つめ直すことができるような、効果的なサポートを積極的に行うのが仕事ではないかと思います。コンピューターに対する知識や理解が不十分だと認識している人は、それだけで気後れを感じたり、積極的に考え発言する自信を持てなくなりがちです。教育を考えるという点では同じなんだということをアピールし、論点を整理して提示する必要があると思います。

実はカンファレンスでも、そうした教育の本質を問う意見は少ないながらも出ていました。しかし、質問の回答者や司会や周囲の聴衆の多くはその意見の真意を汲み取ることなく、論点ははぐらかされ別の話題にすり替えられるという状況でした。声の大きな者が繰り返す発言だけが響く場は、見ていてとても歯がゆく、残念でなりません。私は今年も密かに溜息をついてしまいました。

年に一度のカンファレンスの議論を活発かつ実のあるものにするためには、日常の教育現場と当日のカンファレンスの場の両方で、議論を円滑にするサポートとアイディアが必要です。みんなが集まれば何とかなる、といった考え方では、カンファレンスの存在そのものも薄くなります。

そうこうしているうちに、焦点の定まらない曖昧な情報教育を受けた子どもたちが、ひとりふたりと社会に出ていっています。いや、社会に出る前にすでに問題は起こりはじめています。悠長なことは言っていられません。情報機器が普及し、インターネットが整備されてきた今こそ、情報教育とPCカンファレンスをその本質からきちんと見直すべき時だと思われます。教育界を引っ張る立場として、CIECはもっと前面にその存在を押し出して活動してもらいたい、そう願ってやみません。

【転載】情報教育 再考 | 2005-07-22

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