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PCC参加記(1)e-Learningの示すもの

パンフレットに「企業のお話から最新の情報教育を学ぶ云々」と書いてあったのですが、それはちょっと誤解されやすい文章ですね。教育的な視点から何かしらの提案が企業からある場合はあっても、企業の持つ先端技術=情報教育などでは決してありません。教育は、教育を真剣に考える人たちの思いでその方向性が決められるのであって、技術云々に振り回されるものではないはずです。

現在企業が謳っているe-Learningシステム(例えば授業のコンテンツ配信)の多くは、教師中心主義の授業、教師が持つ知識を学習者に伝達するというスタイルの授業の場合に有効に機能するものです。企業が最初に思いつく「授業」の形態がそれなんでしょう。実際、それは未だに日本の教育のスタイルの主流でもありますから、企業の目の付け方はある意味真っ当なのでしょうが。

私も少しは教育学を学んだ経験がありますから、こうしたスタイルはすでに古く見直されるべきだ、という意見が現代の教育学において顕著であることは知っています。その代わりのスタイルとして、学習者中心主義といいますか、学習者が学べるような場を作るのが教師の仕事という考え方があります。そこでの教師は知識の伝授者ではなく、ファシリテーターとしての役割を担います(大まかに言えばですが)。

いまだに多くの学校機関の授業が、上で挙げた古いやり方にとどまっているのは、残念なことだと私は思います。スタイルの優劣を言いたいのではなく、いろんな考え方があってよいのに1つのやり方に凝り固まっているのが気になるのです。学習者中心主義のスタイルが有効に機能しそうな場合であっても、やはり教師の基本的な姿勢は教師中心主義です。どんな内容であっても、どんな学習者であっても、どんな環境であっても。

学習者中心主義、あるいは学びそのものを中心に据える考え方は、授業の主導権を学習者に渡すという行為と言えます。この考え方を根本から理解するには、パラダイムシフトが必要です。教育観・教師観・学習者観を根底から変えなければなりません。それには痛みを伴うことも多いでしょう。しかし教師が成長していくためにも、社会の変化と照らし合わせながら教育を常に見つめていくためにも、パラダイムの転換という作業が時に必要です。そして、今がまさにその時期なのではないかと私は思います。(続く)

PCカンファレンス2005 参加記 | 2005-08-09

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