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PCC参加記(4)メディアの光と影を認識する

今小中高の教育界では、2ちゃんねるの生徒による書き込みがひとつの話題になっているようです。2ちゃんねるに対して否定的なイメージを強くしている現場教師も多いようですが、気をつけなければならないのは、2ちゃんねるなどの掲示板は匿名性や内容の是非を問う前に、ひとつのメディアであるということです。どんなメディアにも必ず光と影があります。2ちゃんねるの匿名性と凶悪事件を結びつけて「非社会的」などとその影を強調することができる一方で、匿名であるが故に円滑な議論や助け合いや新しいアイディアが生まれるケースも多々あります。私も、たとえばコンピューターの知識を仕入れる時や、テレビで放送していないスポーツの試合の情報を得るときなどには、よく2ちゃんねるを使っています。とても便利なメディアだと思います。

2ちゃんねるは、文字情報による言葉の交わし合いの場において、ある意味とてもホットで最先端なところです。妙な偏見を持たずにその言葉を分析すれば、人の多様さ、豊かさ、視点の違いの面白さ、つまりは人間の興味深さが現象として見えてくるように思います。私も実は2ちゃんねるに特別詳しいわけではありませんが、とても面白いメディアだと思いますし、ダークな側面だけを取り出して評するのはもったいないと感じます。

2ちゃんねるに限らず、インターネットのサービスや技術の多くは、様々な用途に用いることのできる可能性を秘めていて、またそれを多様に使いこなすのは若い世代の人たちです。子どもは遊びの天才だと言われるように、メディアをフラットにかつ巧みに使うことに長けています。逆に大人は、一面的な情報ですべてを語ったり、食わず嫌いだったり、すぐに「教育的に良くない」「つまらない」などと決めつけてその多様さを見過ごしてしまったりします。その意味でも大人は子どもたちに見習わなければならないのに、あろうことかアクセス自体を禁止してしまったり、無関心をきめこんでしまったりしているのではないでしょうか。そうすれば考えなくていい、楽であるという怠惰な理由だけで、です。

程度にもよりますが、知らないことは選択肢を減らすことになり、可能性を減らすことになります。これは知っているふり、思い込みや決めつけも同じです。ITの一面的な特徴をことさら強調して宣伝されている多くのe-Learningソリューションも、誰も彼もがIT万歳と言うその潮流を嫌いアンチIT、アンチインターネットと声高に主張することも、結局はメディアをきちんと理解しようとしていないという点で同じであり、良いことだとは言えません。これからはITと否が応でもつきあっていかなければならない時代だと考えると、インターネットやコンピューターについて理解しようとしないことは社会参加を放棄することだ、とは言えないでしょうか。もう少し多様かつ寛容な目で、肯定的なまなざしを意識してコンピューターやインターネットを見つめてみると良いかもしれません。

以上のことは、主にカンファレンスの参加者に向けてのことですが、同じことはマスコミや企業にも言えます。影響力の大きいメディアをコントロールする立場にいる方こそ、とりわけ意識して真摯にこうしたメディアと向き合い、詳しくない人にあらぬ誤解を与えないよう、その言動にはいっそうの注意を払うべきです。ワイドショーによる一面的な報道、自分たちに都合のいい形で喧伝するIT企業の振る舞いにもまた、その情報を受け取るシステムの末端にいる私たちが警鐘を鳴らさねばなりません。(続く)

PCカンファレンス2005 参加記 | 2005-08-09

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