前回・前々回と「情報の整理」という観点からネットにおける情報の捉え方について書きました。次に「情報の信憑性」という観点を少し考えてみましょう。
ネットの情報の並び順を一元的に管理する存在がないように、ネットの情報の信憑性を審査する存在もまたありません。書籍ならば出版社のチェックが入っていますし、特に事典のようなものは監修や編者の名前が大きく出ています。大手出版社や著名な編集者の名前があるから信憑性が高いなどとは断定できませんが、誰でも発信できるネットの情報よりは信憑性が高いとは言えるかもしれません。
もっとも、ネットは嘘ばかりかと言うとそうではありません。良識を持って情報発信している方はたくさんいます。また、ネットの利用者同士で記述の正確性を指摘しあうこともよく行われています。例えばブログにコメントを書き込んだり、掲示板で発言内容に対して指摘を加えたり、といったことです。利用者でネットの情報資源を大切にしていこうというという動きがあることも忘れてはいけません。
ですので、「ネットは信憑性に問題があるから利用を控える」のではなく、信憑性を自分で判断するリテラシーを身につける気持ちで利用するのが良いと思います。本来情報への接し方はそうあるべきなので、これは何も特別なことではありません。新聞やテレビから流れる情報を鵜呑みにしがちなら、ネットにあふれる情報を横断することで、「情報とは何か」について考えることができるでしょう。
調べ学習をする際によく言われるのが「情報の参照元を記載する」ということですが、「情報の信憑性は常に問われるべきだ」という意識があれば、少なくとも参照先の記載に無頓着にはならないでしょう。出典を書きましょうと呼びかけるだけでなく、なぜ書く必要があるのかをきちんと理解してもらうことが大切です。
そのためには、調べ学習の前に情報の信憑性に対する意識を持ってもらうことが先、といえます。これが現実的に難しい場合は、調べるサイトを限定する、カテゴリ検索のみを使うなど、あらかじめ教師の側で信憑性の高いサイトを絞り込んでおく必要があるでしょう。これは、学習者が誤った情報を信じてしまうことを防ぐだけでなく、情報の発信先が限定されていることを学習者に自覚してもらう意味があります。
学習者が必要な情報を調べられたかだけに執着するのではなく、その情報をどのように捉えて検索行為を行っているかを見定めることが必要です。検索力の向上は、情報に対する意識を持つことと不可分なのです。
「ネットで調べ学習」で大切なこと | 2005-10-09
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