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PowerPointを教えることの危険性(前編)

先日、とあるニュースクールプロジェクトの授業を見学してきました。そこで小学生が簡単なプレゼンテーションをしていたのを見て、沸々といろんなことを考えてしまいました。プレゼンの内容や方法そのものは授業の重要ポイントではなかったので、見学後の意見交換会で私がその話題を引っ張ったのはいいことじゃなかったと思います。ですが、勝手にどんどん考えは展開していったので、備忘録的にここにメモしていくことにします。

小学生がプレゼンに使っていたソフトはPowerPointでした。私が考え出したきっかけはそこです。PowerPointってどうなのだろう、ということです。

その授業でのPowerPointの使われ方は、学会でよくやるようなのとはちょっと違っていました。各発表者ごとのスライドは1〜数枚。紙に書いたものをスキャンしてスライドに貼り込んでいるのも多かったです。全員のスライドを1つのファイルにまとめるやりかたは、OHC用の資料を束ねて次々見せていくような感じでした。ですので、個々人がスライドを次々見せながら発表していくというスタイルではありません。使い勝手のいい黒板といったところでしょうか。そのような形式なのは、発表者の年齢、情報機器を扱うリテラシー、発表自体の経験の少なさなどを考えてのことであると思います。

そんな授業に対して、発表スタイルとPowerPointというようなテーマを考えるのは筋違い、というのは確かにそうだと思います。でも、考えてしまった。できれば子どもたちにはPowerPoint以外のものを積極的に使ってもらいたい、とも思いました。良くも悪くもPowerPointというソフトの影響力の強さを思ったからです。

PowerPointというソフトはよくできています。多機能で操作が煩雑な面もありますが、Wordなどに比べると文字や図形を直感的な操作で配置できます。スライドを一枚一枚作って順に流していくというスタイルも、紙芝居と思えば非常にわかりやすい。プレゼンのスタンダードという社会的地位も確立しているので、何かと便利に使える環境が揃っている点も大きいです。他に良い同種ソフトがあるのかというと、私にはぱっと思いつきません。MacのKeynoteというのもひとつの答えですが、コンセプトは似たようなものなので、ここではその差異は小さいとしておきましょう。ですので、PowerPointはダメだと一概に否定する気はありません。

ただ、PowerPointは説得のための営業ツールとしてよく練られたソフトである、という視点を忘れないことは重要だと思います。順にスライドを見せていくというリニアな流れは、聞き手をその流れに乗せてしまう狙いがあります。私が大学に通っていた頃、とある教授が「PowerPointは洗脳ツールだ。聞き手は途中で立ち止まることができない。疑問点があってもそれを頭に止めておけないのだ。質問の機会も与えられず最後まで一方的に進められると、質問したかった内容を忘れてしまうばかりか、異論すら感じられない状態になってしまう」と言っていましたが、まさにその通り。極端にいえば、話し手の物語を刷り込ませる道具として最適化されているということです。

プレゼンテーションを考える | 2006-05-26

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