コンピューターとマジにつきあう日々。
2007.08.25 11:40 am
マークアップエンジニアだとかCSSerだとかのキャリアパスはかくあるべきか、という話題が先日盛り上がってましたが(突っ込むのが遅い)。みなさん本音のところはどう考えてるんですかね。
フリーランスでWeb制作をしつつ教育機関で仕事をしている私の場合、たぶん同業者が見たら「そんなのWeb制作者がやることじゃないじゃん」的な仕事の割合が1週間の中でそれなりに占めています。FileMakerで学習者のデータを管理したり、写真をスライドショーに加工したり、音楽テープやVHSをディスクに焼いたり。非デジタルな仕事だと、書道の準備とか、大量の印刷&製本とか、倉庫整理とか。今週は全くコーディングしてないなぁとか、グラフィックアプリを一度も立ち上げずに週末とかあります。
非Webな仕事をすればするほど、やっぱりWebの技術力というか専門性は下がってきます。この前ラウンチした「日本語でケアナビ」なんかはグラフィックやシステム開発は別の人がやってくれましたが、あれは珍しいケース。全部自分ひとりでやることが多いので、スキルは広く浅くなってしまうところもあります。毎日コーディングをしてる人に比べたら、それこそ専門性は雲泥の差があると思います。
ただ「Web制作100%な毎日」にして特定分野の専門性を磨くことだけが全てではない、と今のところは思っています。要は全体における部分をどう捉えるか、需要と供給の問題ではないでしょうか。
私が大学院を出てWebの仕事をしようと思った時いちばん気にしたのは「この仕事の需要を喚起できるか」でした。現場を見ている限り潜在的なニーズがあるのは間違いない。問題は、ニーズを顕在化させられるか、そして「私がそれやります」と手を挙げた時に受け入れてもらえる形にできるか、ということでした。もちろん、このことは今も常に考えていることです。
何かを意識してやっている限り、それはWebと全く関係のない仕事、と言い切れるものは少ないのではないでしょうか。つなげられるかどうか、生かせるかどうかは自分次第だと思います。私の場合、せっかくあちこち寄り道して経験したことがあるのだから、それを強みに変えるような形で勝負しないといけない。勝負できる場所を見つける、勝負できる環境を作っていかないといけないと思っています。実際、プロデュースやディレクションっぽいことをするときは、それなりに経験を生かせていると感じています。
マークアップエンジニアで食っていけるか?という疑問は、やはり周りとの関係性で考えるしかないでしょう。極端な話、マークアップを全部機械がやってしまう世の中になったら人間は必要なくなります。あるいは、安い時給のバイトにやらせればいいよ、ということになったら専門職は不要とされるかもしれません。そうなるかどうかは、一定水準の技術が業界としてどう扱われるか、他の専門性とどういう関係で存在しているか、という状況が決めることです。
会社の中での立場の確保なら、他の社員や事業戦略の状況を見て、自分の存在意義を作り出すよう頑張ればいいでしょう。会社を移りつつ、あるいはフリーとしてであれば、業界全体が頑張る相手になります。自己PRと啓蒙活動が大切になってくるんじゃないでしょうか。
「先行き不透明」という意味では、別にマークアップエンジニアが特別なのではなくて、他の言語もそうだし、Web業界全体がそうなのだと思います。10年先のことなんて誰も分からないことは、Web業界にいる人ならみんな感じていることでしょう。状況が変わっていく中で、どんな専門性もその価値が相対的に変化するはず。もし変わらないものを考えるなら、それはコミュニケーションスキルのようなものだと思います。
専門1本とはいっても、マークアップには少なくともデザイナーなどと話せる力が必要ですし、業界の動向を見ながらスキルをアップデートしていく必要があります。だってマークアップだけでサイトが完成するわけではないですから。教科書に載っていることしかできない人と、常に状況に合わせて最適解を提供できる人とでは、その価値が違うのは当然。他との関わりの中で自己の専門性を捉える力は、専門性を高める上で必要なことだと思います。
他の言語を学ぶ、専門領域を広げることは大切なことですが、そうすることがなぜ自分にとって大切なのかを考えておかなければならないと思います。自分の立ち位置も計ろうとせず、誰かに示してもらったキャリアパスを漫然と信じて行動するだけでは、結局は状況の変化に対応できない気がします。要はそういう問題だと思うんですが、どうなんでしょう。
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