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e-Learningが実現する、学習者本位の学び

2008.05.06 10:28 pm

公開から1年近くが経つ日本語でケアナビですが、最近1つ悩んでいることがあります。サイトを一言で説明する言葉がないのです。つまり「要するにどんなサイト?」と聞かれて歯切れよく返せないのです。

サイトのトップページには「日本語でケアナビは日本語教育支援ツールです。看護・介護の場面で役立つ和英・英和辞書です」という説明があります。これを決める時は、開発メンバーで散々悩みました。悩んだポイントは色々あるのですが、そのひとつに「辞書」という言葉を入れるかどうか、という点があります。

開発メンバーの意識は今でも「ケアナビは辞書ではない」です。検索ボックスに文字を入れて検索し、言葉の意味や用法を調べられる。それは英辞郎goo辞書と同じ、まさしく辞書ではないのか。確かにそうなのです。いわゆる辞書として使えるのです。しかし、辞書的に使えるからといって、辞書と言うカテゴリーでケアナビを解釈してほしくないという意識が、開発側にはあるのです。

各語彙の詳細画面の右側には「ケアくんナビ」があります。これは、表示中の語彙と関連する語彙を5つ紹介するコンテンツで、amazonのおすすめ商品的なものです。このコンテンツのリンクを次々クリックしていくことで、ユーザーは関連する語彙をどんどん学んでいくことができます。コンテンツの提供側である私たちは、言葉から言葉への経路を提供しているわけですが、そういうものは辞書には普通ないでしょう。言葉を学ぶのに辞書を頭から読むことを勧める教師はそういないと思いますが、ケアナビではひとつの言葉を起点に「辞書」をめくっていくことをオススメします。しかもそうすることで、自分の関心に近い言葉を優先的に学んでいけるのです。

語彙の関連度を決めているのが、語彙に付けられたタグ。これも普通の辞書にはないものでしょう。タグを導入した経緯は、一元的なカテゴリーでは言葉を「ユーザーの気持ちに沿った形で」分類することができない、ということからです。今でもそれが一番の理由ですが、どんなタグを付けていくかに悩み、できあがってからタグで言葉を絞り込んでみたりすると、タグによるナビゲーションの別の側面が見えてきました。「ケアくんナビ」と同じく、言葉同士をつなぐものを提供する、という特徴です。タグの名前は、その語彙が使われるシーンを象徴する言葉、ユーザーがイメージしやすそうなキーワードであるようにしています。そのため(理想的には)ユーザーが「**系の言葉を学びたいな」という思いにそった言葉をリストアップできる仕組みになっています。

両コンテンツに共通しているのは、ユーザーの興味関心にマッチした語彙を優先的に学んでいける仕組みであるということ。そして、ひとつの言葉から次々と学びを広げていけることです。このような学び方は、普通の辞書ではなかなかできないことであり、また教科書のような「学習者の望まない順番」で学ぶことを強制する仕組みでもありません。

こうした仕組みは、最初から完全にそこまで意図して作ったのではなく、ユーザーの気持ちを第一に考えた結果、生まれたものです。インターフェースがユーザーに優しいことがこれからのe-Learningの条件だ、と言われていますが、コンテンツもユーザー本位であることが重要だということを改めて実感しました。ケアナビは、まだまだ現実のインターフェースやコンテンツが理想に追いついていない部分があります。日々改良策を練っているなかで思うのは、e-Learningだからこそ可能な「学習者本位の学び」があるのではないかということ。もちろん学びにはいくつも切り口があっていいと思いますが、これは結構面白いテーマだなと思っています。

category: 社会, Web業界, デジタルねた

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